Vivaldi Technologies(ヴィヴァルディ テクノロジーズ/本社:ノルウェー・オスロ、CEO:Jon von Tetzchner)は2021年6月9日、デスクトップならびにAndroid版の無料ウェブブラウザVivaldi 4.0をリリースしました。
デスクトップ版とAndroid版に搭載した「Vivaldi翻訳」は、Lingvanex社のエンジンを利用した翻訳サービスです。プライバシーを守るため、翻訳エンジンはVivaldiのサーバーにホストしていています。ビッグテック企業など他社の目が入り込む余地はありません。
デスクトップ版では、待望の「Vivaldiメール」、「Vivaldiフィードリーダー」ならびに「Vivaldiカレンダー」のベータ版を公開しました。Vivaldiメールのベータ版は、既存のメールやカレンダーサービスを利用できます。例えば、vivaldi.netやFastmailなどの信頼できるサードパーティのサービスのアカウントを設定できます。
Vivaldi 4.0は、巨大企業の閉ざされたエコシステムや監視から脱却しやすくなります。
VivaldiのCEO、ヨン・フォン・テッツナーはこう述べています。
「世界中の人々が、テックジャイアンツが提供に代わって、信頼性があり機能性が高いツールを求めています。Vivaldiはそのような人々のために、データを守り便利なワークフローを実現する多数の機能をブラウザ本体に統合しています」
Vivaldiは、Windows、Mac、Linuxのコンピューター、またはAndroid 5以上を搭載する携帯電話やタブレット、最新のChromebookに対応しています。ダウンロードならびに利用は完全に無料です。
Lingvanexのエンジンを利用する翻訳機能をデスクトップとAndroidに搭載
Vivaldiは、ユーザーがブラウザ上で行うすべてのことは他者が立ち入るべきではないと考えています。だからこそ、Vivaldiはユーザーを追跡したり、データを収集したり、プライバシーを侵害したりすることはありません。Vivaldiは、GoogleのFLoCのような、プライバシーを侵害するあらゆる技術を拒否することを約束します。オンラインで不必要な個人情報を収集することは、間違っているだけでなく、危険なことだからです。
Vivaldiの同期機能はエンドツーエンドで暗号化し、ブラウジングデータを安全に保ちます。デスクトップ版とAndroid版の両方に搭載している広告とトラッカーブロッカーは、不要なトラッキングを制限し、迷惑な広告をブロックするのに役立ちます。
しかし、ユーザーのデータが収集される可能性や、実際に収集されている例は他にもあります。
Google翻訳などの翻訳サービスを利用した際に、翻訳された文章はどのように扱われるのだろうと考えたことはありませんか?その秘密は守られているのでしょうか?いいえ。タブを閉じたからといって、翻訳結果が消えるわけではありません。Googleは翻訳されたすべてのテキストにアクセスできるのです。そして、ユーザーにとっては他に信頼できる選択肢があまりないため、そのようなことが許されてきたのです。
ですが、それは今までの話。これからは違います。Lingvanexのエンジンを利用する、Vivaldiの翻訳機能があります。
Lingvanex社と提携し、Vivaldiはブラウザに翻訳機能を組み込みました。誰もが安全に翻訳されたページを読むことができるようになります。
Lingvanexの翻訳エンジンは、アイスランドにあるVivaldiのサーバーでホストされています。第三者のサーバーが関与していないため、ページの内容は「詮索好きな他者」と共有されません。 デスクトップ版のブラウザでは、ページ読み込み直後にアドレスバーの右端に「A文」と書かれたアイコンから翻訳機能を利用できます。
ワンクリックで、OSで利用する言語(デフォルト)または選択した言語に、ウェブページ全体を翻訳できます。翻訳設定のカスタマイズも可能です。
- ○○語は常に翻訳する – 指定の言語を常に翻訳する
- ○○語は翻訳しない – 指定の言語を翻訳しない
- このサイトは翻訳しない – このサイトを翻訳するか再度確認しない
- ページを翻訳するか尋ねる – 翻訳するかの提案を無効にする ※翻訳ボタンは表示されるため、いつでも設定変更可能
Android版でも翻訳機能を望む声を受けて、デスクトップ版と同じ機能を提供
ほとんどのモバイルブラウザは翻訳機能を提供していません。また、提供していたとしても、翻訳した内容は個人的な情報として守られているとは言えません。Android版のVivaldiの翻訳機能は、デスクトップ版同様にプライバシーが守られます。
ページを翻訳するには、Vivaldi メニューを開き、「翻訳」を選択します。翻訳設定は、[Vivaldi メニュー] > [設定] > [一般] > [言語設定] でアクセスできます。
VivaldiとLingvanex社の協業について詳しくはこちらの記事をご覧ください
あなたのブラウザの好みは、シンプル?ベーシック?アドバンス?
初めて使う人のために、3つのデフォルトレイアウトを用意しました。「シンプル」はブラウザの基本的な機能に絞ったすっきりした画面、「ベーシック」はパネルやステータスバーなどVivaldiの独自のインターフェイスを堪能できます。「アドバンス」はメールやカレンダー、フィードを含めた全ての機能が初期設定で利用可能となっています。3つの違いは、初期設定のインターフェースや機能のオン・オフだけです。どれを選んでも、Vivaldiのすべての機能が利用できます。
シンプル:「keep it simple」を愛する、プライバシー重視のブラウザを求めている人に最適です。Vivaldiは、ユーザーのブラウザの使用状況を追跡しないので、安心してお好きなサイトをご利用ください。よく使われる広告とトラッカーブロッカーや翻訳は、アドレスバーからすぐに利用できます。その他の多彩なVivaldiの機能は、必要に応じて後からいつでもオンにできますので、徐々にお試しください。
ベーシック:このレイアウトでは、パネルとステータスバーが追加され、Vivaldiの多彩な機能に素早くアクセス可能です。
アドバンス:アドバンスは、シンプルとベーシックのすべての機能に加えて、4.0から新しくベータ版として提供するメール、フィードリーダー、カレンダーが最初からオンになっています。
Vivaldiの信念は、プライバシーを第一に考えながら、誰にとっても使いやすいブラウザを提供することです。3つのレイアウトの中から好みの物を選ぶことで、使い始めたその日から自分らしくブラウザを使いこなせます。
ビッグテックに代わる選択肢 – Vivaldiメール(ベータ版)
プライバシーを大事にする人のための新しい選択肢、Vivaldiメールのベータ版が登場しました。
多くのメールクライアントでは、友達との会話、メーリングリスト、仕事関連のメールなどを手作業でフォルダーに分けなければなりません。また、複数のメールアカウントに届いたメールを確認するためにユーザーはあちこちに移動しなければなりません。
VivaldiのCEO、ヨン・フォン・テッツナーはこう述べています。
「これまでのメールクライアントとは異なり、Vivaldiメールはベータ版であっても、面倒な作業をすべて担います。メーリングリストやメールスレッドを自動的に検出し、メールを見つけやすいように自動的に分類し、強力な検索機能を提供します。メールを再び楽しむことができるでしょう」
最大の利点は、遠隔地にあるウェブメールサーバーではなく、ユーザーのコンピューター上ですべての作業が行われるということです。そのため、ユーザーは特定のサービスプロバイダーに縛られることも、検索機能と引き換えにメールの内容へのアクセスを許可させられることもありません。
Vivaldiメールベータ版では、メールのフィルター設定をメールアカウント毎に行う必要はありません。メールプロバイダーを変更しても設定が引き継がれるので、いつでもメールプロバイダーを変更できます。
Vivaldiメール(ベータ版)の起動
メールを利用するには、既存のユーザーは [設定] > [一般] からメールを有効に設定、新規ユーザーはブラウザのセットアップ時に「アドバンス」を選択してください。
サイドバーに表示されるメールパネルには、「すべてのメッセージ」「カスタムフォルダー」「メーリングリスト」「フィルター(検索)」「フラグ」「同期ラベル」「フィード」「全てのアカウント」が表示されます。
3枚のパネルで構成されるVivaldiメールは、デフォルトのレイアウトは左にアカウントとフォルダー、中央に受信したメッセージ、右に現在開いているメッセージが表示されます。Vivaldiの他の機能と同様に、メール一覧と本文を上下や左右に並べるなど使いやすいレイアウトに設定できます。
Vivaldiメール(ベータ版)の特長
- すべてのメールアカウントを一箇所に集約:メールアカウントごとに管理している大量のメールを、Vivaldiメールならアカウントを横断して1つの受信箱でアクセスできます。 IMAPとPOP3をサポートしているので、ほとんどのメールプロバイダを利用可能です。Gmailも設定できます。
- 基礎となるデータベース:Vivaldiは、すべてのメッセージ、ラベル、フィルター、検索などをデータベースとして管理しています。すべてのアカウントのメールはインデックス化されているので、オフラインでも検索できます。また、メールが事前に読み込まれていればメールを開く前でも検索することができます。
- タブ型インターフェイス:新しいメッセージを作成する場合、同じウィンドウにポップアップ表示するのではなく、新しいタブで開きます。複数のメッセージを同時に開けるので、タブタイリング機能で複数のメールを横に並べて見比べなからメールを書けます。
Vivaldiメールならではのメールの整理方法
Vivaldiメール(ベータ版)のメールの整理方法をご紹介します。
- フォルダー非依存:メッセージを特定のフォルダーに保存するのではなく、1つのメッセージを複数の「フォルダー」や「ビュー」に表示することができます。
- フラグで色づけ:他のメールクライアントとフラグを同期させ、色を割り当てて重要なメッセージを見分けることができます。
- 高速な検索:検索結果をフィルターとして保存できるので、同じ検索を何度も行う場合に時間を節約できて便利です。ラベル(タグのようなもの)もサポートされているので、他のデバイスで異なるクライアントを使用している場合でも同期可能です。
- メッセージのキューへの登録:メールを事前に準備しておいて後で送信したい場合、メッセージをキューへ登録できます。メッセージは送信箱に登録され、ユーザーが送信を押すまで待機状態になります。
操作もビューも使いやすくカスタマイズ
- 表示切り替えアイコンでビューをコントロール:クリックするだけで、メーリングリスト、カスタムフォルダー、フィード、迷惑メール、ごみ箱を切り替えて、それぞれのメッセージを表示できます。
- 未開封と未読を区別する:まだ対応していないメールのステータスを「未開封」と「未読」に分離しました。「未開封」はまだ開いていないメール、「未読」は開いたけれども処理されていないメールです。既読に設定することで「既読」ステータスに変わり、未読ビューからは消えます。これらのステータスの違いを活かしてToDoリストとして活用できます。
スマートナビゲーションは不可欠
新規メールの作成やメールへの返信など、操作のショートカットを16種類用意しています。メールウィンドウの[戻る]、[進む]ボタンは、メールフォルダーの移動に役立ちます。「T」でスレッドを、「E」で連絡先を選択した後、通常の履歴キーで以前訪れたメールフォルダーに戻って見ることができます。
Vivaldiメールベータ版について詳しくは、Vivaldiメールを紹介するテクニカルプレビューや変更履歴のブログをご覧ください。
Vivaldiフィードリーダー(ベータ版) 気になるニュースをもれなくチェック
私たちが読んでいるページは、誰かにモニターされ、保存され、そして広告主に売られています。Vivaldiフィードリーダーは違います。
あなたの購読履歴を参照した誰かに意図を持ってオススメされるニュースではなく、自分が信頼するニュースソースを選んで購読できます。自分の興味や関心に基づいたニュースを受け取ることができるようになりました。
Vivaldiフィードリーダーベータ版は、Vivaldiメールと同じ画面で利用できます。メールパネルを使用してフィードアイテムの表示や名前の変更を行える他、専用のフィードパネルから表示することも可能です。
Vivaldiメールとの統合には大きなメリットがあります。フィードアイテムの並べ替え、インデックスの作成、検索が可能になり、さらには、削除せずに既読にすることもできます。フィードも含めて、新しいメッセージをすべて一か所で見ることができる、一体化されたシステムとして機能します。
Vivaldiフィードリーダーベータ版を使用すると、新聞社のサイトなどのニュースメディア、ブログはもちろん、以下のメディアもフォローできます。
- YouTubeのサイトにアクセスせずに、YouTubeチャンネルを楽しむ:お気に入りのチャンネルの更新情報をブラウザ内でチェックできます。動画の閲覧もプライバシーを考慮して、フィードに含まれる動画コンテンツを抽出し(Cookieを使用しないURLを利用)インラインで動画を表示します。「高評価が付けられました」などの更新があっても、フィードの更新は行われません。
- ポッドキャスト:Vivaldiは複数のRSSバージョンとパワフルなAtomウェブ標準をサポートしています。ポッドキャストの音声と動画も、フィードとして受信できます。
今後、さらなるフィードリーダーの機能拡張を検討しています。
Vivaldiカレンダー(ベータ版)でスケジュール管理
カレンダーには多くの選択肢がありますが、最も人気のあるものは数社のビッグテック企業によって作られています。彼らのビジネスモデルは、ユーザーのデータ収集です。
VivaldiのCEO、ヨン・フォン・テッツナーはこう述べています。
「自分のイベントやタスクの詳細を整理するために、企業と共有する必要はありません。Vivaldiが重視しているのは、シンプルでパワフルなカレンダーを構築し、ユーザーがスケジュールを細かく調整できるようにして、予定を見落とすことがないようにすることです」
ローカル・サーバー管理を選択可能:プライバシー重視ならば、すべてのカレンダーの予定をローカルに保存することができます。自分の予定が他者に知られることはありません。 一方で、Vivaldiのモットーは選択肢の提供です。自分で用意する、または他者の提供するCalDAVサーバーを利用することも可能です。Fastmail、Zimbra、iCloudなどの複数のオンラインカレンダーもサポートしています。
ニーズに合わせてレイアウトを選択:多くの他社製カレンダーは予定ごとに1~2行しか表示されません。Vivaldiカレンダーは、一覧性を重視して3つの選択肢を用意しました。
- 「ミニマル」ビュー 予定のタイトルのみを表示
- 「フル」ビュー 予定のすべてのデータをメインビューに表示
- 「コンパクト」ビュー 規定の文字数で表示
予定の概要を把握できるよう、数回クリックするだけでデータを拡大・縮小できます。「日」と「週」のビューでは1時間ごとにデータを表示するのに対し、「複数の週」と「月」のビューでは圧縮して多くの予定を表示し、「年」ビューでは、それぞれの日の予定を表示します。「予定表(アジェンダ)」ビューでは、6週間分の予定が日付ごとにまとめて表示されます。
Vivaldiカレンダー 日ビュー Vivaldiカレンダー 複数週ビュー
Vivaldiカレンダー 週ビュー Vivaldiカレンダー 年ビュー
カレンダーももちろん、さまざまな設定項目を用意しています。
操作:マウスジェスチャーやクイックコマンドを使って、キーボードのみでカレンダーの主要な操作を行うことができます。
インライン編集:他の予定を確認しながら新しい予定を追加できます。追加するにはクリックして、タイトルと開始時刻、終了時刻を入力するだけです。日付と時刻、繰り返し、場所、説明、タスク、参加者のタブがあり、詳細をさらに追加することも可能です。
検索とフィルター処理で時間を節約:検索機能で現在のビューにある予定を絞り込めます。検索対象をすべての期間にするには、Enterキーを押すか、検索ボタンをクリックしてください。
ブラウザに統合するメリット:ネット閲覧中に気になる催し物があれば、ページ上のテキストをハイライトして右クリックし「カレンダーイベントとして追加」し、イベントエディターから予定として作成できます。アプリケーションをまたいで、テキストをコピーするより簡単です。クイックコマンドの「新しいカレンダーイベント」を使えば、カレンダービューを開くことなく、ダイアログから予定を作成することができます。
操作はキーボードショートカットで:上下左右のキーボード操作で日付を素早く移動して今後の予定を確認できます。また、「Page up」「Page down」キーを使って日付を移動することもできます。
カレンダーパネルやカレンダーマネージャーで日付の見出しをクリックするだけで、今後の予定や過去のイベントを見つけたり、ドロップダウンで日付を移動したりできます。
タスク機能で予定をこなす:カレンダーで「新しいタスク」ボタンを押せば、締切ありまたは締切なしのタスクを作成できます。イベントエディターでタスクタブに移動し、「タスクとして登録」のチェックボックスにチェックを入れてください。
通知に楽しさを加える:Vivaldiカレンダーでは通知のスタイルをカスタマイズできます。「ブラウザを溶かす」、「ブラウザを燃やす」などのインパクトある通知方法で、見逃しも無くなります。
VivaldiのCEO、ヨン・フォン・テッツナーはこう述べています。
「Vivaldiは、ユーザーのニーズと時代の流れを代表すべく開発を行っています。利益の追求を目的としてユーザーのデータを搾取するような企業にならないよう、展開しています。そして、より多くの機能と、より優れたユーザー体験を提供する製品を信念を持って作り続けています」