こんにちは!Takaakiです。
Chromeの拡張機能が使えるためか、「VivaldiはChromeの多機能版」というような認識をお持ちの方をお見受けします。(「Googleのアカウントで同期できないのか」というご意見を拝見したことも。。。私たちがコストを費やして自前の同期機能を作っているのには、重要な理由があります。それは本記事にも記載されていますので、ご注目ください!)
最も重要な違いはブラウザーの開発方針やビジネスモデルなのですが、その認識はまだ広まりきっていないようです。以下のブログポストで、Vivaldi, Chrome, Chromiumの正しい位置関係をお伝えできると幸いです!
原文 Vivaldi: Built using Chromium, but different from Chrome
日本語訳
nearjpさん(ありがとうございます!)
では一体、何が同じで何が違うのでしょうか?
私たちは、よくVivaldiとChromeの関係について尋ねられます。
実際のところ、私達はページを描画するときにChromiumのBlinkエンジンに頼っています。
(Googleは、Chromiumプロジェクトによってメンテナンス・管理をしています。)。
ここまではChromeブラウザとほぼ同じ部分です。
次に違いを見ていきましょう。
Vivaldiは2015年に、他のブラウザで失われた機能を補うために立ち上がりました。立ち上げ当初から、カスタマイズ製に優れた独自のUI(ユーザー・インターフェイス)を構築することに重点を置いていました。
ブラウザのUIは、ほぼすべての方の目に触れる、画面を操作したり、やりとりする部分があります。それを支える底の部分には、要求されたコンテンツをウィンドウに表示するレンダリングエンジンと、アプリケーションのUIをまとめて処理するブラウザエンジンが備わっています。
世の中の様々なブラウザには、それぞれ異なるエンジンが使用されていますが、私達は中でもChromiumのエンジンコードが安全かつ広く普及されていることを見出しました。他のコードは入手不可能だったり、大幅な書き換えが行われたりと実用する上で様々な問題があったので、現実的な選択としてはChromiumがベストだという結論に至りました。
新しいエンジンを最初から開発することに力を注いでいては、そこに膨大な労力を費やしてしまうので、私たちが最も重要視することが実現できなくなってしまいます。
この20年の間に誰も最初から0ベースで新しいエンジンを作り上げたことがないのには、それ相応の事情もあるのです。
Chromiumプロジェクトのコミュニティに参加することにも意味があります。
Vivaldiがレポートやアップストリーム(Vivaldi開発者は定期的に問題を報告し、コードをアップストリームしようとしています。)などをすることで、多くの開発者がコードの改善の恩恵を受ける可能性もあります。
Vivaldiの使命
Chromiumのエンジンというステージ上で、私たちはさらに変更を加えました。通常のChromiumのUIをそのまま使用するのではなく、自分たちのウェブテクノロジーに基づいてVivaldiオリジナルのUIを構築することに焦点を当てました。
あなたが慣れ親しんでいる範囲でVivaldiブラウザのカスタマイズを可能にしているのは、Vivaldiのコードによるものです。
Vivaldiでは、背景色、全体的なテーマを選択して、アドレスバーとタブの配置、およびスタートページをカスタマイズできるので、遊び心のあるユニークな画面をお楽しみいただけます。
さらにVivaldiのコードは、タブを「スタック」や「タイリング」したり、Webページに注釈を付けたり、メモを追加したり、Webパネルから作業したりと、多くのことを可能にしています。
また、VivaldiのUIは、タブの切り替えやキーボード操作によるクイックコマンド(ブックマークの検索、履歴の閲覧、タブの開いた設定)、および多数のマウスジェスチャーにも対応しているので、よりインタラクティブにブラウザが扱えるようにしています。
沢山のタブを開いたままにしたい人向けに、Vivaldiは個々のタブとタブスタックの両方に休止機能をサポートしており、ユーザーがあまりこれらのタブを使用しない際はタブを読み込み前の状態に戻すことで、お使いのデバイスのRAMメモリに空き容量を確保させるという事もできます。
Vivaldiのカスタマイズ性は無限であり、長年ブラウザーを使用している熟練ユーザーの方々も、新しい機能を発見できるでしょう。
Vivaldiにおける個人情報の取扱い
VivaldiのビジネスモデルはGoogleとは異なり、大量のユーザーデータの収集して収益化するものではありません。ユーザーの使用データは収集しません。Vivaldiは、Vivaldiユーザーの数、Vivaldiを使用しているOS、そして彼らが世界のどこにいるのかを総括的に観ているだけです。
もう少ししたら、Vivaldi独自の同期システムが安定版に導入されます。VivaldiはGoogleの同期サーバーを使用していないため、Chromeとデータを共有することはできません。
私たちがエンジンに対して行った変更により、Chromeの同期機能との互換性はなくなります。
Vivaldiを使用することで、エンドツーエンドの暗号化によりあなたのデータは保護されます。独自のSync(同期)システムを構築するには少々時間がかかってしまいましたが、プライバシー保護の観点から見てこれは必要不可欠でした。
要するに、Vivaldiユーザーからのデータを得ることができないため、Chromiumが基盤だったとしても、GoogleはVivaldiからの恩恵を受けることはできません。
Vivaldiは、あなたが訪問しているサイトを、既知のフィッシング詐欺やマルウェアの疑いのあるサイトのマスターリストと照合するGoogleのセーフブラウジングAPIを統合しています。この機能は、プライバシー設定(設定 > プライバシー > プライバシー)でオフにすることができます。
詳細については、VivaldiがGoogleサーバーにアクセスする2つの主な理由に関するYngveの記事を、データの取り扱いに関する詳細についてはプライバシーポリシーをご覧ください。
上記に述べたことをすべて考慮すると、私たちが既に選択したエンジンを変更したり、Vivaldi独自のエンジンを開発したりする可能性は一体どれくらいになるでしょうか?
答えとしては、VivaldiはChromiumコードに対して行った多くの変更に依存していますので、これらの変更を新しいエンジンに「翻訳」して差し替えることには、あまり意味がないのです。
(少なくとも現時点ではの話ですが。)