Chromium部分は触らずにVivaldiを高速化してみた

以前のアップデートで、Vivaldiブラウザのパフォーマンスを大幅に改善したことはご存知かと思いますが、この改善においてChromiumコードはいじっていません。この記事では、その方法を説明します。

Vivaldi 3.7 is faster

最新版のVivaldiでは、以前のバージョンと比べてタブがとても早く読み込まれるのに気づかれたのではないでしょうか。

速度がどの程度向上したのかを確認するためにテストをした結果、倍の速さでタブが読み込まれることがわかりました(新しいウィンドウの場合は26%早く読み込まれます)。

だいぶすごいでしょ?

で、どうやって実現したかというと・・・

Vivaldi 3.7と比べると、Vivaldiのユーザーインターフェイスの様々なコンポーネントが、もっと適切な方法で互いにやり取りするようになりました。

Vivaldiのパフォーマンスの向上に常に取り組んでいますが、タブの状態に関する情報の保存とアクセス方法を効率化すれば、パフォーマンスも向上するのではと考えました。

そこで、Vivaldi UIの要とも言える「PageStore」コンポーネントを重点的に修正しました。「PageStore」は、タブの状態に関連する情報を保存し、後でその情報にアクセスできるようにするコンポーネントです。

Vivaldi 3.8および以降のバージョンでは、PageStoreコンポーネントは、実質的に変更をもたらさないリクエストの場合、そのリクエストを無視するようになりました。

基本的には、UIは以前ほど多くのPageStoreの変更に応答する必要がなくなりました。その理由は、PageStoreを変更するイベントが前ほど頻繁に送られなくなったこと、また、変更がスキップできる時はUIに通知しないようになったことにあります。

PageStoreはUIコンポーネントに対してこれらのシグナルを出さなくなったので、多くの不要な動作を省略できるようになったのです。

相乗効果として、UIの他の部分も状態の変化をより早く認識し、より素早く応答できるようになりました。

それぞれに行われた最適化自体は小さいものですが、これらの積み重ねがユーザー体験の向上につながったと言えます

Björgvin Ragnarsson、シニアデベロッパー、Vivaldiブラウザ

Chromiumに依存しない独自のパフォーマンス改善

今回、Vivaldi独自のユーザーインターフェイスの部分に変更を加えました。

ご存知の人も多いとは思いますが、VivaldiはChromiumをベースに、多数のユニークな機能や使い勝手を良くするユーザーインターフェイス(ユーザーが目にしたり、操作したりする部分)を開発しています。

ブラウザのパフォーマンスは、もちろん利用するマシンのスペックや設定にも依存します。ですが、どんな環境であれ、高速なブラウジングを実現できるようにするのが我々のミッションだと思っています。

Vivaldiでタブが今まで以上に素早く読み込まれ、より良いユーザー体験を提供できるようになったことを嬉しく思っています。

パフォーマンスの最適化はこれからも行っていきます。今回は大幅な改善を行いましたが、今後の数回のリリースにおいて段階的な改善を目にされるでしょう

Björgvin Ragnarsson、シニアデベロッパー、Vivaldiブラウザ

VivaldiはM1でも利用可能です

Vivaldiは、Macコミュニティーが待ち望んでいた、ARMベースのM1プロセッサを搭載したMacでも利用できます。

M1プロセッサが搭載されたMac製品を使用して内部でテストした結果、Vivaldiでのブラウジングが2倍速く行えました。

CPUの使用率が低ければ省電力効果にもつながるので、バッテリー使用時でもブラウジングを長く楽しめます。

原文 – How we made Vivaldi faster independent of Chromium

訳 – Mayumi Ozawa

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