こんにちは、Vivaldi 編集部です。
ブラウザを開く。検索する。記事を読む。SNS を見る。動画を再生する。タブを閉じる。
毎日、何度も繰り返しているこの動作の裏側では、サーバーが呼び出され、データがやりとりされ、見たいコンテンツだけでなく広告やトラッカーまでもが読み込まれています。ふだんはほとんど意識しない部分ですが、ブラウザや検索エンジンの選び方は、デジタル利用の環境負荷ともつながっています。
Climate Action Accelerator は、デジタル技術の利用に伴う温室効果ガス排出が、世界全体の 3〜4%を占めると紹介しています。データセンターや通信ネットワークも、エネルギーを必要とするインフラです。
もちろん、ブラウザを変えただけで環境問題が一気に解決するわけではありません。それでも、毎日使う道具だからこそ、どんな会社が、どんな考え方で作っているのかを知っておく意味はあります。
Vivaldi は、速さや機能だけでなく、プライバシー、ユーザーの選択、そして ウェブ のあり方を大切にしてきたブラウザです。その姿勢は、環境への向き合い方にも表れています。
サーバーをどこに置くか、という選択
Vivaldi のサービスを支えるサーバーは、アイスランドで運用されています。
アイスランドは、地熱発電と水力発電を中心に、電力のほとんどを再生可能エネルギーでまかなっている国です。火山活動のある土地柄を活かした地熱、氷河や河川を活かした水力。どちらもアイスランドの暮らしと産業を支えてきました。
データセンターの運用で大きな比重を占めるのが、サーバーを冷やすための電力です。サーバーは動き続けるほど熱を持ちます。多くの地域では、その熱を冷ますために空調設備へ大きな電力を使います。
ブラウザを使うとき、それを支えるサーバーがどこにあるのかなんて意識しないと思います。ブックマークを同期するとき、コミュニティに投稿するとき、ブラウザの向こう側でどのようなインフラが動いているのかを考える機会も、あまり多くはないはずです。
でも、毎日使う道具の裏側に、そうした選択がある。そこを知るだけでも、ブラウザの見え方は少し変わります。
検索エンジンにも、選択肢がある
Vivaldi では、検索エンジンの選択肢のひとつとして Ecosia (エコシア)を利用できます。
Ecosia は、ドイツ・ベルリン発の検索エンジンです。主な収益源は、検索結果に表示される広告です。利用者が広告をクリックすると、広告主が支払った収益の一部が Ecosia に入ります。Ecosia は、そこから生まれた利益の 100% を気候変動対策に充て、その多くを世界各地の植樹プロジェクトに使っています。
つまり、「検索 1 回につき、木が 1 本自動的に植えられる」という仕組みではありません。日々の検索から生まれる広告収益をまとめ、植樹や森林保全などに回している。いつもの検索行動が、少しずつ気候変動対策につながっていく仕組みです。
2026 年 4 月には、Ecosia コミュニティによる累計植樹本数が 2 億 5,000 万本に達しました。
検索エンジンは、ブラウザと同じくらい日常に入り込んでいます。何かを調べるたびに使うものだからこそ、その収益がどこへ流れるのかを考える余地があります。
Vivaldi では、設定から検索エンジンを変更できます。ふだんの検索を Ecosia に変えることは、大きな努力を必要としない、かなり身近な選択です。
広告ブロッカーは、軽さだけの話ではない
Vivaldi には、広告ブロッカーとトラッカーブロッカーが標準で用意されています。
広告が少なくなれば、ページは見やすくなります。読み込みも軽くなります。ここまでは、多くの人が体感しやすいところです。
もうひとつ見落としやすいのが、データ転送量や端末の処理量です。
ウェブページを開くと、本文や画像だけでなく、広告スクリプト、トラッキングコード、動画広告なども読み込まれることがあります。広告やトラッカーを読み込まないということは、その分だけ余計なデータ転送や処理を減らすことでもあります。
2024 年に公開された研究では、広告ブロック機能を備えたブラウザが、広告をブロックしない状態に比べて消費電力を大きく抑えるケースがあると示されています。ページの種類や設定によって結果は変わりますが、広告ブロッカーは「見た目をすっきりさせる機能」だけではありません。
端末のバッテリー、読み込み速度、プライバシー。そして小さな電力消費。広告ブロッカーは、それらがつながっていることを思い出させてくれます。
ただし、広告が ウェブサイトの収益源であることも事実です。Vivaldi では、ユーザーがどのサイトで何をブロックするかを選べます。すべてを一律に消すのではなく、信頼しているサイトでは広告を許可し、困っているサイトではブロックする。そうした細かい選択ができることも、Vivaldi らしさのひとつです。
「便利だから載せる」だけでは決めない
ブラウザには、次々と新しい機能が追加されています。暗号通貨ウォレット、AI アシスタント、自動要約、チャット機能。便利そうに見えるものはたくさんあります。
でも、Vivaldi は「便利だから」という理由だけで機能を載せることはしません。
たとえば暗号通貨について、Vivaldi はこれまで慎重な姿勢を示してきました。暗号通貨のマイニングには大きな電力が使われることがあります。投機性や詐欺的な利用への懸念もあります。そうした背景から、ブラウザに暗号通貨ウォレットを組み込むことに距離を置いてきました。
AI についても同じです。
Vivaldi は、機械学習や AI の可能性そのものを否定しているわけではありません。一方で、AIアシスタントがユーザーとウェブの間に入り込み、何を見てどの情報に触れるかを代わりに決めるようになることには、はっきりとした問題意識を持っています。
AI 機能は、計算資源も必要とします。知的財産、プライバシー、電力消費、そしてユーザーの判断の余地。Vivaldi が見ているのは、機能単体の便利さだけではありません。
足せる機能を、すべて足すわけではない。
その機能が本当にユーザーのためになるのか。ウェブをよりよい場所にするのか。消費するリソースに見合う意味があるのか。Vivaldi は、そこを見ながら判断しています。
ブラウザの選び方が、少し変わる
ブラウザを選ぶとき、速さ、使いやすさ、タブ管理、拡張機能との相性を見る人は多いはずです。
そこにもうひとつ、「そのブラウザは何を大切にしているのか」という視点を足してみる。
サーバーをどこで動かすのか。検索エンジンの選択肢をどう用意するのか。広告やトラッカーをどう扱うのか。暗号通貨や AI のような流行の機能に、どう向き合うのか。
どれも、ブラウザを開いた瞬間に目に入るものではありません。でも、毎日使う道具だからこそ、その裏側の考え方は積み重なっていきます。
環境のためにできることというと、マイバッグ、マイボトル、食品ロスの削減などが思い浮かびます。もちろん、それらも大切です。
同じように、1 日に何時間も触れているブラウザの選び方にも、できることがあります。
特別な努力はいりません。Vivaldi をダウンロードして、自分に合う形に設定して、使い続ける。検索エンジンを Ecosia に変えてみる。広告やトラッカーのブロック設定を見直してみる。
小さな選択ですが、毎日使うものだからこそ、気づけば大きな違いになります。
ブラウザにも、環境への向き合い方があります。Vivaldi は、その選択肢のひとつです。