Vivaldi Technologies(ヴィヴァルディ テクノロジーズ/本社:ノルウェー・オスロ、CEO:Jon von Tetzchner)は 2023 年 6 月 8 日、デスクトップおよびノートパソコン向け無料ウェブブラウザ Vivaldi の最新版となる 6.1 をリリースしました
Vivaldi 6.1 は、Windows、macOS、Linux に、無料でダウンロードできます。
クライアントヒントを変更することで Microsoft の Bing Chat が使用可能に
Vivaldi は Google Chrome のオープンソースプロジェクト、Chromium をベースとして構築されています。また、Microsoft Edge と Google Chrome も同じエンジンを使用しています。つまり、あるウェブサイトがいずれかの Chromium ブラウザで利用できるのであれば、Chromium を使用する他のブラウザでも同じように利用できるはずです。Vivaldi も、ほとんどのサイトを問題なく利用できますが、一部のサイトでは「許可するブラウザリスト」に Vivaldi が含まれていない場合、ブロックされることがありました。この問題に対処するため、Vivaldi は 2019 年にユーザーエージェントの文字列を変更せざるを得ませんでした。ユーザーエージェントには、ウェブブラウザやオペレーティングシステムの名前、その他の技術関連の情報が含まれています。
Vivaldi は、ユーザーエージェントでは Chrome を名乗ることにしました。堂々と Vivaldi だと主張したかったのですが、サイトの互換性を保つために難しかったのです。
Vivaldi の開発者、Yngve Pattersen がブログで、ユーザーエージェントによる識別について説明しています。
名前を基にして識別しようとするのはウェブサイトだけではありません。Chrome 向けに特別に作られたグラフィックカードドライバーの最適化に関しても同様です。Vivaldi は、このグラフィックカードのドライバーのロックを解除するため、Google Chrome として名乗るようになりました。
Chrome として名乗ることにより、GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)を使用する際のメモリとリソースの消費が軽減されます。同時にバッテリーを節約でき、クラッシュの頻度も減り、システムの安定性が向上します。
同様に Bing Chat を試してみたくても、Microsoft Edge をインストールする必要があることが原因で、試すことができなかった人がいます。そこで今回は、Bing Chat を確実に使用できるように新たな手順を追加しました。
Vivaldi は Bing にアクセスした際に、クライアントヒントを Microsoft Edge に変更します。これにより、デスクトップと Android デバイスの両方から Bing Chat にアクセスできるようになりました。
ワークスペースの改善
Vivaldi 6.0 デスクトップ版に導入したワークスペース機能は、Wired で「既存のオプションに加え、ごちゃごちゃになったタブを整理できる素晴らしい機能、ワークスペースが登場」と称賛されました。
同じ目的のタブをひとまとめにする、ワークスペース機能で大量のタブをより整理整頓しやすくなりました。ワークスペース内でも、タブスタック(グループ)やタブタイリング(分割表示)も使用可能です。仕事やニュース閲覧、趣味のスポーツ観戦など任意の名前を付けたワークスペースに関連するタブをまとめることで、ワークスペース内ではそれぞれの目的に集中できます。
ユーザーからのフィードバックを受け、今回のリリースではドラッグ&ドロップでワークスペースの順番を任意に変更できるようになりました。
複数のタブやタブスタックのリンクをまとめてコピー
Vivaldi では、機能をデザインする際にはあらゆるワークフローを考慮することが大事だと考えています。人それぞれ異なる使い方に合わせられるツールの提供を目指しています。
6.1 では、複数のタブを選択して全てのページへのリンクをコピーできるようになりました。例えば、旅行先で宿泊するホテルの候補を複数まとめて友人に送りたい場合などにとても便利です。
ワークスペースでも同じ機能を利用できます。タブスタックや複数のタブを選択して右クリック、あるいは、ワークスペースのメニューで「リンクをコピー」をクリックしてください。
iOS 版 Vivaldi はもうすぐそこ
Vivaldi は先日、iPhone と iPad 向け iOS 版プレビューをリリースしました。たくさんの人がすでにこのプレビュー版を試しており、たくさんのフィードバックを共有してくれています。今後もいち早く情報をキャッチするには、iOS ニュースレターをご購読ください。