Vivaldi Technologies(ヴィヴァルディ テクノロジーズ/本社:ノルウェー・オスロ、CEO:Jon von Tetzchner)は 2021年10月7日、デスクトップと Android 向け無料ウェブブラウザ Vivaldi の最新版となる 4.3 をリリースしました。
デスクトップではキャプチャー機能を刷新しスクリーンショット画像のサイズ変更が可能になりました。また、視覚的に強化されたダウンロードパネルにより、ダウンロードの速度を事前に把握することができます。
デスクトップおよび Android での同期機能の UI を進化させ、コンピュータや Android デバイス間での Vivaldi アカウントを利用した同期がより使いやすくなりました。
Vivaldi は、ユーザーのプライバシーを重視しています。プライバシーを侵害する可能性があると物議を醸している Google の Idle API は、デフォルトで無効となっています。また、プライバシーに配慮した機能が追加されたことで、Vivaldi メールとカレンダー(ベータ版)を利用するメリットも増えました。
Lingvanex 社の翻訳エンジンを使用する Vivaldi 翻訳機能では、新たに 68 の言語が追加され、計 108 の言語に対応可能となり、より多くの人が好きな言語でウェブにアクセスできるようになりました。また、デスクトップでは、要望の多かった PWA(プログレッシブウェブアプリ)に対応しました。
あらゆる面で多くの改善と機能の追加が行われた Vivaldi 4.3 は、Windows、Linux、macOS でご利用いただけます。
同じく本日リリースされた Android 版のアップデートには、タブスタックの新しいツールバー、翻訳機能での対応言語の追加、同期 UI の改善が含まれています。
Vivaldi の CEO、ヨン・フォン・テッツナーはこう述べています。 「ユーザーとの対話を通じて、人々は普通のブラウジングから脱却したいと思っていることがわかりました。Vivaldi のすべての機能は、プライバシー、利便性、効率性を念頭に置いて設計されています。Vivaldi はユーザーが求めるものの集大成であり、アップデートのたびにあらゆる面で洗練させていくことを目指しています」
画面キャプチャー機能を刷新
クライアント向けの報告書作成にも、面白いネットミームをシェアする時にも、画面キャプチャーは欠かせない機能です。Vivaldi に内蔵されているキャプチャーツールを使えば、画像の一部やページ全体のスクリーンショットをあっという間に撮影することができます。
4.3 では、さらに効率的なコミュニケーションツールとなるように機能を改善しました。外観も、よりクールに改良され、新しいアイコンで使い方もわかりやすくなりました。また、要望の多かったサイズ変更のオプションも追加し、いつでも完璧なスクリーンショットが撮れるようになりました。
キャプチャー機能には、ステータスバーのカメラアイコンからアクセスできます。また、キーボードショートカットやクイックコマンド、マウスジェスチャーを使って有効にすることも可能です。
同期のUIを改良
ブラウザに保存されているものはすべてユーザーのものです。だからこそ、Vivaldi はユーザーのブラウジングデータを安全に保ちたいと考えています。エンド・ツー・エンドで暗号化された同期機能もその一例です。
同期機能では、複数のコンピューターや Android デバイス間でコンテンツや設定をシームレスかつ安全に同期することができます。
4.3 では、Vivaldi はユーザーがより簡単に設定や同期の状態が確認できるようになりました。アカウント取得からの一連の操作が設定内で完結するようになり、アイコンや色使いを工夫することで主要な機能やオプションがわかりやすくなりました。
また、リカバリー機能を追加しました。同期の設定でバックアップ用の暗号化キーをダウンロードし、安全な場所に保存しておくと、より安心です。万が一、暗号化のパスワードを忘れたとしても、バックアップキーを利用して同期したデータを複合することができます。
ダウンロードパネルを改良
Vivaldi のダウンロードパネルをアップデートし、ファイルのダウンロードの詳細だけでなく、さらなる情報を表示するようにしました。ダウンロード速度をグラフで表示する他、簡単にダウンロードを再開したり、システムにダウンロードしたファイルを参照するボタンも追加しました。
ダウンロード済みの容量や割合など、主要な情報を太字で表示することで、ダウンロード状況が一目で把握できるようになりました。ダウンロードパネルにはこちらからアクセスできます。
プライバシー保護が最優先、Idle API はデフォルトで無効に
Google が最近導入した Idle API 機能により、サイトはユーザーがデバイスや、キーボードあるいはマウスなどの特定のハードウェアの操作を行っていないか、一定のシステムイベントを通して検出し、判断できます。
この API はユーザーの行動をトラッキングできるものとして悪用される可能性があります。Vivaldi では、ウェブサイトにこの API の利用を許可することでプライバシーが侵害される可能性があることをユーザーが理解するのは難しいと考えています。このため、デスクトップ版、Android 版の両方において、この設定をデフォルトで無効にしています。
Chrome とは異なり、Vivaldi ではサイトによる確認も行われず、そのリクエストはデフォルトで拒否されるようになっています。しかし、この設定はいつでも変更することが可能です。
デスクトップと Android の Vivaldi 翻訳言語追加、 108 言語に対応
Lingvanex 社のエンジンを利用する Vivaldi 翻訳は、安心して使える翻訳機能です。ユーザーの行動を監視する可能性のあるサードパーティの拡張機能を必要とせずに、ウェブサイトを素早く翻訳する方法を提供しています。
Vivaldi 翻訳をリリースして数か月しか経っていませんが、108 の言語に対応できるようにアップグレードしました。
新たに 68 の言語を追加したことで、世界中のより多くの人々が母国語でウェブにアクセスし、翻訳されたウェブページや選択したテキストを安全に読むことができるようになりました。Lingvanex の翻訳エンジンは、アイスランドにある Vivaldi 社のサーバーでホストされています。サードパーティのサーバーは一切使用していません。
Vivaldi のメール、カレンダー、フィードリーダーの微調整(ベータ版)
Vivaldi ではビッグテック企業のサービスに代わるものを提供できるよう、Vivaldi メール、カレンダー、フィードリーダー(ベータ版)の改善に常に取り組んでいます。
- よりプライベートに: OAuth ログインがメールとカレンダー専用に変更され、メインブラウザとは共有されないようになりました。このため、Vivaldi に内蔵されたメールクライアントで Gmail にアクセスしても、YouTube などのすべての Google サービスにログインすることがなくなりました。つまり、Google に追跡されずに Gmail のようなサービスを利用できるようになりました。
- その他のトラッキング防止のヒント: Vivaldi に内蔵されたフィードリーダーで、Google にログインすることなくチャンネルを購読、動画を直接視聴し、お気に入りの YouTube チャンネルをフォローできます。Vivaldi の YouTube チャンネル にアクセスしてお試しの上、フィードとして追加してください。
- ドラッグ&ドロップ: 添付ファイルを Vivaldi メール のウィンドウにドラッグして追加できるようになりました。
Vivaldi デスクトップ版で、PWA に対応
Vivaldi デスクトップ版では、PWA(プログレッシブウェブアプリ)に対応しました。
選択したページを独立したアプリケーションとして保存でき、デスクトップのショートカットで起動し、独自のウィンドウで実行することができます。
PWA をサポートするページでは、タブを右クリックして表示されるメニュー(コンテキストメニュー)のオプションに、「[ウェブサイト] をインストール」という新しいオプションが表示されます。アンインストールするには、PWA ウィンドウの [⋮] メニューを使用してオプションにアクセスしてください(vivaldi://apps からアンインストールすることも可能です)。
完全な PWA としてのサポートを行っていないサイトでは、タブの右クリックメニューで表示される「ショートカットを作成」で PWA と同じように機能させることができます。「ウィンドウとして開く」にチェックを入れるようにしてください。
Vivaldi Android 版では、タブスタックツールバーを搭載
Vivaldi はアップデートの度に、タブに関するオプションを追加するように努めています。最近のアップデートでは、新しいタブ設定が追加され、Android でタブスタック(タブグループ)を簡単に有効にできるようになりました。
4.3 では、「タブスタックツールバー」が登場しました。この新機能では、タブバーが起動していない状態でも、ウェブページを閲覧しながら、タブスタック内のタブを切り替えることができます。
タブスタックツールバーでは、スタック内のタブ開閉や、グループ化されたタブをプレビューすることも可能です。