「#Vivaldiを使うワケ」では、Vivaldiの事例記事として、Vivaldiのヘビーユーザーに取材をさせていただき、Vivaldiへのこだわりや活用法などをご紹介します。第4回目にお話を伺ったのは、フリーライターの西東美智子さん。配信されているネットラジオをはじめ、様々なところでVivaldiを人にオススメしてくれている(Vivaldiを紹介いただいたラジオ回はこちら #40 クローム以外のおすすめブラウザ|「Vivaldi」がいいらしい)ヘビーユーザーさんです。今回はライティングのお仕事にVivaldiを活用するコツやポイントを伺いました。
西東さんはフリーランスのライターで、キャリアは7年目。主にBtoBの導入事例など、取材ライティングを手がけています。「あなたのライターキャリア講座」という文章を書くための思考法を紹介するオンライン講座で講師も務めています。
2020年夏にこの講師の話が来たのですが、利用しているWindows PC環境に課題が発生しました。それまでブラウザはChromeを使っていたそうですが、講座でZoomを使ったビデオ配信をしながら画面共有すると、まともに動作しなくなってしまったのです。
Zoomが動かない原因をネットで調べてみると、他に負荷の高い処理が動作しているためかも、ということがわかりました。チェックしたところ、Chromeの負荷がダントツに高かったのです。そこで、軽いブラウザという切り口で調べる中で、Vivaldiを知ったそうです。
「調べていくと、Vivaldiは軽いだけではなく情報収集に適している、という記事も見かけて興味を持ちました。トラッキングをブロックできるとか、検索エンジンにEcosiaを選べるところが最近っぽいな、と思いました」(西東さん)
Ecosiaとはドイツにある企業が運営する検索エンジンで、ユーザーが検索する度に収益の80%を植林活動を行う団体に寄付しているのが特徴です。検索するほどに、森林の再生活動に寄与できるエコなサービスで、Vivaldiの検索エンジンリストに標準で用意されています。ここに気づいてくださるとは、さすが情報感度の高いライターさんの視点です。
もちろん、ブラウザをVivaldiに乗り換えることで、Zoom配信時の画面共有もスムーズにできるようになりました。
Vivaldiは主に仕事で使っており、情報収集に活用しているそうです。情報収集といっても検索して、気になる結果をクリックして閲覧するといった普通の使い方ではありません。
案件によって(SEO記事の執筆等)は、調べたいキーワードで検索したら、上位10ページを問答無用で開きます。その際、検索結果のページは残しておくため、すべてバックグラウンドでリンクを開きます。大量のウェブページを開き、切り替えながら読み進めるので、タブの見出しが重要になります。そこで西東さんは右サイドにタブを表示しています。横に配置することで、タブ名が読めるので中身を把握しやすくなります。
「右側に表示しているのは、タブをタブスタックでまとめる際、右側の方がタブを重ねるときの操作性がいいからです」(西東さん)
タブスタックとは、タブを重ねることでグループ化する機能です。たくさんのタブを開いていても、タブを整理できるので閲覧しやすくなります。西東さんはこのタブスタックを原稿執筆に活用しています。
原稿の第1パラグラフに入れる内容に関するタブをまとめたタブスタック、第2パラグラフに関するタブスタックとまとめていくのです。最初は何も考えずに大量にウェブページを開き、内容によって整理するのです。あの情報はどこにあったっけ・・・・・・とタブを切り替えまくるといった手間が省け、効率的に執筆に集中できます。
さらに、執筆が終わったら、タブバーの右クリックメニューから「すべてのタブをセッションとして保存」で、取材先名などを付けてセッションを残しておくそうです。
「ライターは参考URLを出すことがあるので、その際に参照できます。しばらく前に手がけた仕事の話が半年後とかに来た時、勉強のためにまた情報を検索することなく、セッションから当時見ていたウェブページをまとめて開くことができます」(西東さん)
ウェブパネルには辞書サイトを登録し、慣用句の使い方やIT系の難しい単語を調べる時に使っているそう。和暦西暦変換表も登録しており、役所の文書や創業年を和暦で書いてある会社のウェブページを読む際に西暦で把握するために活用しています。ユニークだったのが、テキストの読み上げサイトを登録している点。Googleドキュメントで執筆した原稿を推敲のためにコピーして読み上げてもらい、文章のリズムや、流れのスムーズさなどを確認しているそうです。
「ウェブパネルは革命的だと思います。原稿の推敲をするときに、これまではタブを切り替えていたのですが、ウェブパネルを使えば画面を移動することなく確認でき、すごく楽になりました」(西東さん)
西東さんは日々業務でVivaldiを使い倒しており、ことあるごとに他の人にも勧めています。ライター講座の受講者の方が、ライターにぴったりのブラウザは何かと質問して来た時にも、「個人的な意見ですが」と前置きしてVivaldiをオススメしました。ライター仲間のコミュニティでは、時々ブラウザの話題が出ることがあるそうで、すぐに「Vivaldi一択」と紹介するそうです。「界隈では西東はいつもVivaldiの話をしていると言われています」と西東さん。
夫にもVivaldiを勧めたところ、Vivaldiのプライバシー保護機能やEcosia対応のことに関心を持って使い始めたそうです。今では、スマートフォンでもVivaldiモバイルを使うほどのお気に入りぶり。西東さんはVivaldiの伝道師のようです。
最後に、Vivaldiについて一言いただきました。
「Vivaldiは、便利な機能は私が言わなくても強化してくれると思います。私としては、Ecosiaのような、今注目度が高いポイントを打ち出して欲しいなと思います。まだ完全にVivaldiを使いこなせているわけではないので、面白い活用法をもっと知りたいです」と西東さんは締めてくれました。