今年、Vivaldi はリスボンで開催された Web Summit カンファレンスに久しぶりに参加しました。Web Summit は、政治家、首脳、テクノロジー企業や急成長するベンチャー企業の CEO や創業者など、7 万人を超える人々が集う、活気に満ちたイベントです。
Web Summit は通常のテックカンファレンスとは若干異なり、その着眼点はウィットに富んでおり、革新的なワークショップが行われる他、明確なビジョンを持った人々や起業家達が意見を交換し、コーヒーを片手に素晴らしい関係を築いています。
Vivaldi の CEO、ヨン・フォン・テッツナ―もスピーカーの一員として名を連ねました。ジャーナリストでアナウンサーの アンディ・オドノヒュー との歓談では、ブラウザの未来についてヨンの考えを共有し、今後も日常のブラウジングの域を越え、その有用性が評価されていくだろうと話しました。また、ブラウザを個々のユーザーのニーズに沿ってカスタマイズする必要性は高まっており、Vivaldi がどのように取り組んでいるのかについても語りました。
「ブラウザはこれまで以上にパワフルに変化しています。他社のブラウザは簡素化、そして残念なことに、データ収集という同じような方向に向かっている中で、我々は、違う方向に進むべきだと決意しました。Vivaldi では、より個人を重視しながら、ユーザーのニーズに適応したブラウザを提供したいと考えています」
単にブラウジングするだけでなく、ブラウザの利用方法にハイライトを当てながら、どのようにパワフルなツールとして普及していくかについて語り合いました。
以下の動画では、ブラウジングの未来に対するビジョンや、過去に行った事業から学んだこと、そして、それがどのように今日につながったのかについてヨンが語っています。※ 動画内は全て英語です。
Dataconomy のエディターで創設者の スチュアート・ロジャース との対談では、監視とデータ収集が蔓延する現在のインターネットについて掘り下げて話しました。
インターネットが誕生した当時の目的は、単にコミュニケーションと情報のやり取りだったということをヨンのトークにより再認識させられました。ヨンの目指す究極のゴールというのは、できるだけ多くの人々がインターネットに接続し、情報とサービスに平等にアクセスできるようになる、「グレート・イコライザー」というものです。
「インターネットを監視資本主義の手段として利用することは、元々の目的に反しており、インターネットに対する侮辱であり、間違っています」
では、倫理にかなった、実行可能なビジネスモデルというものはウェブに存在するのでしょうか?
ヨンは、あり得るけれど、正しいことの常として、その実現には方針の転換と多大なる努力が必要だと考えています。「インターネットは道徳的に使用されるべき」という考えに基づいたヨンの情熱は、Vivaldi という製品の構築や、そのような変化をもたらすことができる人々とのコミュニケーションに費やす時間に反映されています。
「データの使用には規制や法令が必要だと考えています。その意見に関しては、実際に EU などに問い合わせたりして推進しようとしました。データの利用には、サービスを提供する上での正当なものもあれば、関連の無い別のことに使用するという不当なものもあります」
ヨンは例として Google Maps を取り上げました。「全ての人の行動を把握するというメリットはあるとしても、データを何にでも使って良いというわけではありません。ユーザーが訪れている場所や、そのパターンを分析するのは、データの正しい利用方法だとは言えません」
自分のデジタルデータがどれほど第三者によってアクセスされているのかは忘れられがちです。しかし、そのデータが安全に利用されているかどうかについては注意を払う必要があります。
以下の動画では、スチュアートとヨンがデータに関する現状、また、データの収集と使用からユーザーを保護するためのガードレールを築く必要性について話し合っています。
Web Summit に参加できたことは素晴らしい体験でした。カンファレンスでは単に刺激的なトークを聴くだけでなく、テクノロジーに感化されている業界の素晴らしい人達と交流することもできました。
皆さんも私と同じく、これらのトークを楽しまれることを期待しています。