こんにちは!Takaakiです。以下の記事の日本語訳を作成しました。
Vivaldi 3.0がビルトインの広告ブロッカーと共に登場しました。好きなウェブサイトが引き続き収益を得られるよう応援する方法のアドバイスとともに、広告ブロッカー搭載の決断に至った理由をご説明しますね。
Vivaldiの動きをずっと見てきた方は、広告ブロッカー導入は当初の予定外だったことをご存知だと思います。
「広告ブロッカーは、適切なウェブサイトが収益を得るのを妨害してしまう。使用する場合は、注意深く使って欲しい」ということを述べてきた経緯があります。
現在は、デスクトップ版とAndroid版の両方のVivaldiブラウザーにおいて、広告ブロッカーを搭載しています。
その背景を紹介します。
トラッカーブロッカーから広告ブロッカーまで
それはVivaldiのトラッカーブロッカーを開発していた頃に遡ります。
DuckDuckGoのTracker Radar-powered blocklistと共にトラッカーブロッカーがサポートするEasyPrivacyリストには、対応する上で広告ブロック機能と大きく重なるような実装が求められます。リストベースのトラッカーブロックと広告ブロックは、本質的には同じことなのです。
もちろん、その技術に対応したところで、ブラウザー内に広告ブロックオプションまでつける必要はありませんでした。しかし、開発が進むにつれ、2つのことが起きました。
1つは、Googleが拡張機能マニフェストV3から、複数のコンテンツブロッカーによって使用されていたAPIを非継続とする方針を決めたことです。この時点で、私たちは解決策を見つける約束をしました。
(Chromium側でサポートが停止されるものは全てそうですが)これに影響を受ける拡張機能のサポートを継続するのは困難になります。Googleは通常、非継続となった機能が依存しているコードの大部分を削除し、そのコードの依存部分をリファクタリングします。そのため、仮に独自でサポートすると、当て辛いパッチを毎回当てなくてはならなくなるのです。
もう1つは、昨年Android向けVivaldiのベータ版リリース以降、Androidブラウザーには広告ブロッカーが必要不可欠だというご意見を継続的に頂いたことです。確かに広告があるとページのロード時間が長くなり、貴重なデータ通信量が圧迫されます。通信量に制限があるプランをお使いであれば、広告ブロッカーは必需品ですね。
広告ブロッカーに使用できる技術に対応済みで、Android版では需要もあり、マニフェストV3への解決策を模索していたため、広告ブロッカーを提供する方針に自然と帰着しました。
以下では、Vivaldiブラウザーに広告ブロッカーを導入した他の理由についてご説明します。
拡張機能は絶対にベストなソリューションだとは限らない
すでに拡張機能という形で広告ブロッカーをブラウザーに付けているものの、私たちが直接管理しているものがあれば、そちらの方が好ましいとお考えの方も多いでしょう。拡張機能の大多数は良心的ですが、ネイティブなものに越したものはないですね。拡張機能の間でコンフリクトが発生してしまうこともあれば、プライバシーとセキュリティに損害を与えるものもあります。
トラッキング技術を利用している広告が多すぎる
多くのオンライン広告は、トラッカーと同様の技術を使用しています。それらは、簡単に悪用できてセンシティブなユーザー情報にアクセスできるコード部品に依存しています。Vivaldiブラウザーでトラッカーブロッカーをテストしたところ、このトラッキングとの繋がりから、多くの広告も自然とブロックされることが発覚しました。
広告はマルウェアのような振る舞いをすることがある
自サイトに表示される広告を完全に把握できている管理者は稀です。広告は広告事業主によってプッシュされ、ウェブサイト側はそれらが安全である保証を持てません。完全に信頼されていたウェブサイトにホストされた広告からマルウェアにかかった事例も実在します。
難儀ですよね。
ウェブサイトの収益獲得を応援する方法
大変多くのウェブサイトがオンライン広告によって存続しています。小規模なブログから大手のメディアまで、実に多くのウェブサイトが事業継続のために広告を頼みの綱としています。
お使いのブラウザーで広告ブロッカーを使用するや否や、普段訪れるサイトの多くで懐事情が苦しくなります。
なので、こうしましょう。好きなウェブサイトにはコンテンツを出し続けて欲しいし、収益化を邪魔したくないですよね。
幸い、方法はあります。
✔️ 定期的に訪問するサイトに直接寄付してサポートする。
✔️ 信頼するウェブサイトからの広告を許可する。全サイトに対して一律に広告を許可する必要はありません(それも可能ですが)。アドレスバーの盾アイコンから、サイト毎に個別設定を行うことができます。ウェブサイトがサードパーティとどのように連携しているかを知るには、そのサイトのプライバシーポリシーを確認するようにしてください。広告ブロッカーを使っていると、コンテンツを見るためにアカウント作成あるいは定期購読を行うよう促してくるサイトもあります。
✔️ 多くのユーザーはトラッカーブロッカーで十分に保護されていることに留意してください。トラッキングとともに最も悪質な類の広告、つまりトラッキング広告を防ぐことができます。同時に、サイト側は収益を出し続けることができます。[設定]→[プライバシー]にて「ブロックなし」、「トラッカーをブロック」、「トラッカーと広告をブロック」から選択頂けます。
あるユーザーは本件に関して、ご自身の意見を表明してくださいました:
今日は少々時間を割いて、広告ブロックに関して方針を変更したVivaldiチームのみなさんに感謝したいと思います。「良いウェブサイト」の事業を妨害せぬよう、広告やトラッカーをブロックするような激しい道に進むのには消極的であったと承知しています。方針を変更し広告ブロッカー実装に踏み切ったことに手放しで喜んでいるわけではないかもしれませんが、残念ながら少なくとも選択肢として提供しなければいけないような今日この頃ですね。
@Hexianpeel
以上です。究極的には、サイトの表示のされ方や、サイトが自分について知る内容は、皆さん自身で選べるようであるべきです。ブラウザーを自分仕様にカスタムできてこそ、Vivaldiです。ユーザーが最終的な決定権を持つべきだと強く信じています。
みなさんは広告ブロックに関してどのようにお考えでしょうか?
Vivaldi Takaaki